遺言執行者の二つの選定方法
遺言執行者の選定は二つの方法があります。
遺言者が遺言において遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができます。
こうして、遺言によって選定された者を指定遺言執行者と言います。
遺言執行者がないとき、又はなくなったときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により遺言執行者を選任することができます。
家庭裁判所によって選定された遺言執行者を選定遺言執行者と言います。
遺言執行者の選任を申立てすることができる利害関係人とは
家庭裁判所に遺言執行者の選任を申立てできるのは、利害関係人とされています。
利害関係人には、相続人、受遺者、被認知者、相続債権者、受遺者の債権者、相続財産管理人、不在者財産管理人などが含まれます。
遺言執行者がないときとは
家庭裁判所に遺言執行者の選任を申してをすることができる、遺言執行者がないときとは、遺言によって遺言執行者が選定されていないときの他、指定を受けた者が委託を辞したとき、就職を拒絶したときなどです。
また、遺言執行者がなくなったときとは、遺言執行者が死亡した、欠格事由に該当した、辞任又は解任された場合などが考えられます。
遺言執行者の選任を申立てた方が良いケース
遺言執行者がいない場合で、遺言執行者の選任を家庭裁判所に申立てした方が良いケースとしては、2つのパターンが考えられます。
一つは、遺言執行者がいなければ実現できない遺言事項が遺言に含まれている場合です。
認知、推定相続人の廃除、推定相続人の廃除の取消し、一般財団法人の設立などです。
二つ目は、遺贈や信託の設定などが遺言事項に含まれているが、他の相続人が手続きに協力的でない場合です。
遺言執行者の選任と不服申し立て
家庭裁判所に遺言執行者の選任を申立てする際には、候補者を推薦することができますが、必ずしも候補者とされた者が選任されるとは限りません。
候補者以外の者が選任されてしまった場合でも、不服申し立てすることはできません。
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